コロナ禍により在宅勤務が促進され、通勤の頻度が少なくなると、都内近郊に無理をして高価なマンションを購入するよりは、いっそ自然に囲まれた遠隔地に居を構えてもよいのではないか?こんな考え方が定着しつつあるように思います。
都心から見て、静岡県熱海市もそんな場所の一つ。
例えば、週一回程度の通勤で済むならば、新幹線で都心まで往復。休日は、海や山で過ごしたり、新鮮な海の幸に舌鼓を打ち、温泉三昧も可能。言う事なしですね。
そんなわけで、熱海市内の不動産屋さんに話を聞き、物件を案内して頂いた時の事を書いてみます。2020年の話です。当時、現地の不動産屋さんはどこもかなり忙しく、やはりコロナ禍による在宅勤務の影響で、比較的若い顧客層からの問い合わせが多いと聞きました。マンションの価格帯は様々ですが、都内近郊ではあり得ない価格の物件が出ているので興味を持った次第。200万から300万前後の物件がどんなものか、数件拝見しました。
結論から言いますと、いずれも築年数はかなり経過していますが(45年~55年くらい)、外壁塗装や内装リフォームなど特段問題は感じませんでした。値段が値段ですので、多少日当たりが悪いとか、急坂の上り降りがあったりしますが、定住が困難とは思えません。山の少し奥まった所などでは、100万を切る物件もあるそうです。築古とは言え、なぜそんな格安物件が存在するのか?
それは、高価な維持費に原因かあるようでした。不動産屋さんがおっしゃるには、むかし景気の良い時代にマンションが乱立し、現在老朽化したそれらは、高い管理費や修繕積立費を発生させています。それら維持費を払って頂けるなら、むしろ物件はタダでもいい、早く手放したい。これがオーナーの本音らしいです。確かに維持費が3~5万/月かかり、その上温泉を引いたりすれば、都心でマンションが借りられる額になるかも知れません。つまりランニングコストが高いので、格安物件でも容易に買い手がつかないのでしょう。オーナーチェンジの場合も同様でしょうね。
しかし、それでも、熱海や湯河原周辺の物件の平均的な価格帯は安いのではないかと感じます。距離的に比較的近い、平塚や小田原、厚木や秦野辺りと比較するとよく感じます。「観光地」と「定住地」ではそもそもマンションの価格概念が違うのかも知れません。
良い週末を!
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