カセットブックを思い出して。

book

電子書籍を読むようになったのはいつ頃からだったかと思い出していました。

昔、書籍ではない読み方として、カセットブックというものがありました。朗読者が良いと、小説も楽しく聴けました。

 

カセットブックで特に記憶に残っているものがあります。筒井康隆さん作の、「急流」と「関節話法」の二編です。こちらは角野卓造さんの朗読によるもので、大変上手な語りで、ストーリーに引き込まれました。さすがベテランの俳優さんですね。

「急流」は、時間というものが、加速度現象を起こすというナンセンスSF小説ですが、かなり風刺が効いていて、ナンセンスの一言では余りある痛快さ。人間が作り出した時間という概念に、逆に時間に振り回わされている現代人の生活をコミカルに皮肉っていて、大変笑えます。

「関節話法」の方も、近未来のSF です。「間接話法」ではありません。体の関節をコキコキ鳴らして会話する、マザング人と言う宇宙人が住む惑星に赴任させられた外交官の悲劇的喜劇です。落語のように、何回聴いても笑えます。

 

良い一日を!

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