今日はだいぶ気温が上がりそうですね。昨夜の残業を忘れ、何も考えずに郊外を散策とかしたいものです。大きな木の下に横になって、若葉から漏れる木漏れ日を浴びながら本でも読んでいたい気分ですが、皆様はどのように過ごされますか?新年度、何か新しい計画をお考えでしょうか?
さて、木漏れ日を浴びながらどんな本を読むか?とふと考えていたら思い出した本がありました。遠藤周作さんの「僕は好奇心のかたまり」というエッセイ集です。いまだに心に残るその1つを紹介します。何十年も前に読んだ記憶ですので、詳細間違っていたらごめんなさい。
著者が、はく製を作る技術者の方と対談されたときの話です。動物を生きていたような姿に復元する、あの「剝製」ですね。その剥製師のもとに一頭の象が送られたそうです。足が悪くなった象です。象にとっては、立っていられなくなるという事は「死」を意味するわけで、はく製にするのでしょう。しかし剥製師の方は、その象を可愛そうに思い、なんとか足の具合が良くならないかと考えたそうです。来る日も来る日も、象の具合の悪い足に軟膏を塗ったり、擦ったりして過ごしていました。するとある日突然、象が作業場(?)を突き破って入ってきたそうです。象はでかいですから(笑)。言葉は交わせませんが、象の態度を見て剥製師の方は、象が何を言いたいのかすぐに分かったそうです。「あなたが毎日癒してくれたおかげで、こんなに足が良くなったよ」と。本業を優先せず、象を生かす事を選んだ剝製師の方に拍手です。
狐狸庵先生、ありがとう。
良い一日を!
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