学生時代のアルバイト 電車広告編

life

40年ほど昔の話です。電車内広告の交換作業をしておりました。

私が当時担当していたのは、東急電鉄の田園都市線でした。

毎朝、渋谷から広告物を担いで出発。各路線に分かれ電車に乗り込み、

終点の、電車が折り返す停車時間内に広告を張り替えるわけです。

電車内の主な広告には、中吊りと車額の2種類があります。

車額と言うのは、網だなの上にはめ込んである広告の事です。

月水金曜は中吊りの交換、火木土曜は車額の交換でした。

常時、小さな脚立を持って移動し、作業時にその脚立の上に立って作業します。

当時、田園都市線の終点は、つきみ野駅でした。電車が停止すると即作業開始です。

停車時間から考えると、1両1分以内で完了しなければなりません。

完了しない場合は、ダイヤ(時刻表)を確認し、どこかでその車両を

捕まえることになります。結構厄介です。なので時間内に終わらせるのです。

中吊りですと、1両に7ホルダーあるので、1ホルダーに1分かかっていたのでは間に合いません。

しかし作業に慣れてきて、手際よく広告の交換ができるようになると時間に余裕も出てきます。

 

ある日、作業の合間に背中をポンと叩かれました。振り向くと、大工の棟梁のような

短髪の職人さんでした。そして一言。「職人芸だねえ」嬉しかったのでよく覚えています。

また、ある日。たまたま時間帯が一致したのでしょう、車内に座っている人がすべて

同じ制服を着た女子高生さんだったことがあります。作業がやりにくかったですね。

作業を1ホルダー終えるごとに拍手されました。わー、パチパチ。わー、パチパチ。

車庫に停車中の電車も広告は張り替えます。真夏、停まったままの電車内は蒸し風呂です。

間違いなく40度は超えているでしょう。

 

仕事は楽とは言えませんでしたが、いろいろな大学の学生アルバイトが集まっていましたし、

情報交換など、ワイワイ楽しくやっていた記憶が残っています。良い経験になりました。

 

良い一日を!

 

 

 

 

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