月末が近づくと残りのギガ数が気になるようになり、精神的に良くありません。そこで最近は、空いた時間にスマホをいじくる習慣を捨て、読書するようになりました。昔、購入したままで読んでいない本を探してみると、ありました。村上春樹さんの「海辺のカフカ」を見つけました。初版が2017年ですから、刊行されてからかれこれ5年も置きっぱなしになっていたことになります。
カフカと言うくらいですから、フランツ・カフカのような不条理文学なのだろうと想像してますが、読み始めて今のところは、まだ冒険が始まったばかりです。読書感想はいずれまた書かせて頂きたいと思います。そしてまた偶然にも知りましたが、今日はフランツ・カフカの誕生日だそうです。(1883.7.3) そういえば、カフカの名著「変身」を読んだときは、意味がよく理解できず、モヤモヤしたことを覚えています。何しろ朝起きたら、自分(人間)が 虫に変身しているという設定なのですから。
「変身」で思い出すことと言えば、新宿2丁目で呑んでおりますと、よく女装さんたちに出くわすことがありました。いわゆる性別と異なる、異性装の方々ですね。しかし話をよく聞いてみると、単なる道楽やおふざけでやっているわけではなく、1つの信条があって装いを変えているのだという事が分かります。普段は、会社の重役だったりする地位のある人(男)が、銀座のママよろしく、ビシッと和服姿(女)で現れるさまは、そこに1つの人格が存在し、「変身」することの奥の深さを感じました。2丁目界隈の記憶もいずれまた書かせて頂きます。
さらに「変身」で思い起こすのは、小説家 澁澤龍彦さんの作品。同氏は、2024年に一万円札の顔になる、かの渋沢栄一氏の親戚にあたります。澁澤氏の作品は、シュールとかオカルティズムとか言われ、不思議な世界へ迷い込むような感覚もありますが、一方で、自由で真実を突いている金言も多く、若い頃読みふけったものでした。三島由紀夫氏の言葉を借りれば、「‥恐るべき頭脳、その博識には手が付けられないが、友情に厚いこと、愛妻家としても有名」という事で、至って善良 (笑)。澁澤氏が、古今東西の「変身」をテーマとするアンソロジーをまとめたものがあります。なぜ人は身を変じなければならなかったのか?人間の心の底にある、変身願望が浮き彫りにされているように思います。
では「良い一日を!
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